地震などの災害によるブロック塀の危険性
こんにちは。
大阪府北部を震源とした大きな地震が起こりました。残念ながら4人の尊い命が失われ、305人の方が負傷されています。(6/19現在)
亡くなられた4名の方の死因のうち2名はブロック塀が倒れてきたこと、2名は本棚・タンスが倒れてきたことによる圧死でした。どれも対策をしていれば死亡することはなかったはずです。非常に悔やまれます。
2名の死亡者をだしたブロック塀の倒壊ですが、建築基準法違反だったとの報道がされています。現在の建築基準法では、ブロック塀の基準は以下の通りとなっています。
・高さ(H)は、2.2m以下にしなければいけない
(構造計算により安全と判断できれば、2.2mより高くても可能)
・控え壁は、1.2mまたは1.6mを超えれば、横幅3.4mごとに必要
(鉄筋やブロック塀の厚さなどの基準もあります)
今回倒壊したブロック塀は、2.2mを超えており、しかも控え壁もありません。現在の建築基準法にあてはめれば、違反しています。
ただここで重要なことはこの基準が施行されたのは、1981年からです。もしこれよりも先にブロック塀が作られており、その時点での建築基準法に適合していれば、法にふれることはありません。このような建築物を既存不適格建築物といいます。
ブロック塀に限らず、このような建築物は全国に沢山あります。現在の基準に適合せず、資金や所有者の意向によりそのままになっている建築物に対策をしなければ、地震のたびに犠牲者がでる可能性は非常に高いと思います。
誰かを守るはずの家が凶器にならないよう、私たち建築に携わる者が何か考えていかないといけないと思います。
最後になりましたが、震災で被害をあわれました方々の、一日も早い復興を心よりお祈りしています。
参考