民法940条の呪い
こんにちは!
九州と四国が梅雨入りしましたね。関西ももうすぐ梅雨入りしそうです。暑く湿度が高い季節に入りますが、体調に気を付けて頑張りましょう!
鰆が美味しい季節です。悪いことばかりではないですね!
姫路で特定空き家に指定された家が、行政代執行により撤去されることとなりました。これで2例目です。
全国的に空き家が激増している影響で、今後このような事例は増えていくと考えられます。
両親がなくなり実家が空き家となった場合、相続放棄すれば管理義務からも解放されると思っておられる方が多いようです。しかし実際はそうではありません。
実家が残った場合の主な対応をみると、3パターンとなります。
1. 市町村などに寄付する
2. 相続放棄をする
3. 相続して管理していく(売却ができれば売る)
市町村に寄付をする場合、余程資産価値があるか公園にできるなど有望な場所でない限り、寄付させてもらえません。市町村も財政が厳しく、重要な収入源である固定資産税が減るので、寄付させてもらえません。逆に市町村も受け取ると管理しなければならず、コストがかかります。
相続放棄をすれば、元の所有者は全てのことから解放されるかというとそうではありません。それは民法940条の規定があるからです。
<民法940条>
相続放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
つまり次の相続人が見つかるまで、管理する義務があります。仮に放置して隣の家や人などに損害を与えた場合、賠償責任が生じます。
裁判所に相続財産管理人の選任申し立てを行い、管理義務を免れることはできますが、申し立て費用を負担しなければなりません。(20~100万円)
実家をどうするかは本当に難しい問題だと思います。両親と一緒に暮らした思い出があり、手放すことはなかなか決断できないことだと思います。しかし都市部でも人口の減少が著しい現状では、誰か引き取り手がいる時に手放すことも大切ではないかと思います。